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自作小説|mickipedia

蟹交線 あとがき

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蟹交線

あとがき

しゃべりたがりなもので、不要かもしれませんがあとがきを書きます。

①きっかけ
友達とのとある悪ふざけから横にしか歩けない蟹というものを思いつきました。
そして「横にしか歩けなかったら軌跡が平行な蟹どうしって出会えないなー、あでも直線は球面上では大円だから地球上なら会えるか」などと考えが進んでゆきこの作品となりました。
2、3日で書き上げましたが2ヶ月くらい前から頭の中であれこれ考えていました。

②題名
つまり題名は実は後から考えたもので、これを思いつく前は「カニカニワールド」とかホントどうしょうもない題名しか思いつかなくて死にたくなってました。

③補足
・語り手の文章の書き方がすごく難しいです。どうせならもっと絵本チックにしてもよかったかもしれません。
・1話目冒頭の平行線公理の引用ですが、あれは平行線公理が成り立つための必要条件であるだけで正しくないです。
ただあの文とユークリッド幾何学という言葉を入れることによって物語のオチを際立たせたかったので間違いを承知で書きました。
・アップする前に下書きを友人に見せたら「裏側のスポットに行かなくても、カニ子がぐるっと一周してくればカニ夫とスポットを持てる」ということを指摘され焦りましたが、
そうしてしまった場合ホームが岩の非常に近くになってしまい子供がブロックを持つ可能性が高いのでカニ夫とカニ子はその選択を捨てたということにしましょう。
・あと実際地球は球というよりは回転楕円体と呼ぶべきかもしれませんが、ややこしくなるので(というか僕自身、回転楕円体上だとどうなっちゃうのかよくわかんないので)この星は完全な球ってことでお願いします。
・裏のスポットにも岩がある、のようなバッドエンドも考えましたが初めての作品なので素直にいきました。
・人生、一人、恋人、などを蟹に使うのがすごく違和感が・・・。
・カニ夫はバット持っていたけどこの世界の野球ってどんなんだろ。
・子供に地球が丸いことを教えるときに『蟹交線』を題材にしてやってください。笑
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蟹交線 6

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蟹交線



あれから数年の月日が流れた。
ここは蟹たちが住む、丸い世界のとある町。
ある蟹の職場でこんな会話がされている。

「Hey!Kanio,Where do you look at the first sunrise of the year?(やぁカニ夫、君はどこで初日の出を見るんだい?)」
「At home.(ホームでさ)」
「With your cute wife?(あの可愛らしい嫁とかい?)」
「Yes,besides my daughter.(うん、あと娘も一緒にね。)」
「Wow!You have the happiness of this town all to yourself.(わお!お前さんはこの町の幸せを独り占めってわけか。)」

一方ホームでは。

「Mam,when does dad come home?I'm sleepy...(ママー、パパいつ帰ってくるの?私もう眠いわ・・・。)」
「I think soon...(すぐだと思うんだけど。)」
「ZZZ(ぐぅぐぅぐぅ。)」

そこへ帰ってくる一人の蟹。

「I'm home!(ただいま!)」
「お帰りなさい。もうカニリーは寝ちゃったわよ。」
「そうか、ごめんごめん仕事が長引いちゃってさ。」
「初日の出見るんだってはりきってって起きてたんだけどね。ふふふ。あ、年越しそば食べる?」
「おう、頼む!腹ペコなんだよー。」

いつも通りの会話。
ホームを持った今でもカニ夫の楽しみはカニ子との何気ない会話なのである。
そばを食べながら一年間にあった色々なことを思い出し話す。
面白いもので会話に夢中になっているうちにあっという間に時間は経ってしまう。
そしてだんだんと夜は更けていく。

「そろそろ出るんじゃないか?」
「そうね、外で見てみましょ。」

寒空の下、外へ出た二人。
だんだんと東の空が明るくなっていく。
ここにはもう、その太陽を遮る岩はない。

「配られたカードで勝負するしかない。
でも今見えているのよりも、ずっと多くのカードを僕らは持っているんだ。」

しっかりとハサミを握り合った二人に初日の出が差し込んだ。





「Mam!Why didn't you awake me!(ママ!なんで起こしてくれなかったのよ!)」
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蟹交線 5

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蟹交線



カニ子に突然の結婚の話をされてから1週間が経った。
あれからカニ夫はホームでテレビを見てばかりだ。
すっかり生気がなくなってしまったようである。

「あんたさぁ、いつまでゴロゴロしてんのよー。」
「うるさいなー。」
「あ、そうだ。お父さんの部長の娘さんのカニ絵ちゃん知ってるわよね?あの子とお見合いしてみない?
 いい子よー。確かあんたとのスポットもこのホームから近いわよね?もし結婚したら・・」
「うるせえ!!あっち行けよ!!!」
「なぁーにカリカリしてんのよ全くー。せっかくいい話持ってきてあげたのに。」

カニ夫はどうしようもない迷路に迷い込んでいた。
どこを行っても行き止まり。
どうすればいいのだろうか。
カニ子を思う気持ちだけは誰にも負けないと思っていた。
本当に?
触れたこともないのに?
会話をしているだけなのに?
カニ子にとって自分が恋人である意味は。
運命には逆らえないのか。
やっぱりカニ子が正しいのか。
この気持ちは嘘だろうか。

もう何もかもがわからなくなった。
全てやめてしまおうか。

そして何もかもがいやになってしまうその瞬間。
まさにその瞬間に突然光は差し込んだ。

そのときカニ夫が何気なく見ていたテレビでこんなニュースが報道されたのだ。


「速報です!速報です!あの世界一周の旅に出ていたフェルディナンド・カニラン氏が帰って来ました!
繰り返します!あの世界一周の旅に出ていたフェルディナンド・カニラン氏が帰って来ました!
専門家はこう述べています。
『ふむ、クリストファー・カニンブス氏によって新大陸が発見されまさかと思ってはいたが、本当にカニラン氏が帰ってくるとは驚きじゃのぅ。
しかも、世界を一周をする間、彼が計測する限り彼の軌跡は右にも左にも曲がってはいなかった。
つまり

 世界は平らではなく球

ということを身をもって証明したわけじゃ』」

カニ夫は自分の中で何かがざわめき始めているのを感じた。

「『ふむ、つまりの皆さん御存知の通り、我々カニの軌跡は直線であるというのが常識であり、定説と思われていた。
しかにカニラン氏の帰還によって我々は考えを改めねばならない。
そう、この世界が球であり、カニラン氏が曲がらずまっすぐ行って同じ場所に戻ったということは

 我々の軌跡は直線ではなく大円

ということなのじゃ』」

カニ夫はこの専門家の話を聞くか聞かないかのうちにもう家を飛び出していた。
そして専門家は続ける。

「『ふむ、平面上で非平行な二直線の交点はたしかにただ一つじゃ。これは我々がほとんどのカニとスポットを一つ持つことからもわかるのう。
まれにお互いに平行でスポットがないもの同士もおるがのう。

蟹交線 図5


しかしこの考え方は間違っていたのじゃ。
我々の軌跡が大円だとするなら

 すべてのカニの組は互いに2つのスポットを持つ。

ということなのじゃ。フォッフォッフォ。』」

蟹交線 図6


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蟹交線 4

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蟹交線



午前5時。
寒空の下、カニ夫を待つカニ子。
そのそばにはあの岩がそびえ立っている。

(パーを出すってカニ夫君なに考えているのかしら。)

そう思っているうちに東の空が白み始めた。

(あぁ、もうすぐしたら初日の出がきてみんな騒ぎ始めるわ。私はいつもどおり一人拝めないまま。慣れっこだけどさ。)

そこへ遠くのほうから一生懸命何かを背負ってカニ夫が歩いてきた。

「ごめん!予想外に重くて時間かかっちゃった!今持って行くから待ってて!」

そう言ったカニ夫が背負ってきたものは、大きな真っ平らな鏡。

「どうしたのその鏡・・・!?」
「家の洗面台のを引っぺがしてきた!」
「えぇーっ!そんなことして平気なの!?お母さんに怒られたでしょ?」
「うーん・・・お母さん寝てるからさ。でも起きたら怒るかもね。まぁカニ子ちゃんはそんなこと気にしなくていいのっ。」
「でもその鏡どうするつもり?・・・あっ!」

どうやらカニ夫の考えにカニ子も気づいたようだ。

「へへっ、パーってのはこういうことさ。このパーみたいにでっかい鏡に、地平線と太陽をパーっと映してカニ子ちゃんに見せてあげるよ!
よっこらせっと、この角度で平気かなっと。」

カニ夫はカニ子に太陽が見えるように大きな鏡を地面に置いた。

「カニ夫君・・・」

いよいよ太陽が昇り始める。
周りにはそれを見つめる子供、大人、家族、恋人たち。
カニ子もしっかりと鏡を見つめている。
カニ子にとって生まれて初めての初日の出。
一生見ることはできないって思っていた初日の出。

そして・・・ついに太陽がその姿を見せた。

わーわーわー!
昇ったぞー!
今年もいい年になれー!

歓声が鳴り響く中、カニ子は泣きながら鏡に映る初日の出を見つめていた。

「ありがとう・・・本当にありがとう・・・。」
「ふふっ、カニにだってパーは出せるんだぜ。」



あの日決して交わることのない二直線は間違いなく交じり合った。
確かに交点を持った。

しかし今、その交点は再び消えようとしている。
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蟹交線 3

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蟹交線



その夜、カニ夫もカニ子も同じことを思い出していた。
もう何年も前の、二人が出会ったばかりの頃の出来事。
その日は大晦日であった。
街中の蟹の話題は翌日の初日の出をどこで誰と見るかであった。

「えーカニ代は初日の出カニ丸君とのスポットで見るんだー。それ激アツじゃん!」
「でしょ!そのまま私の初日の出もカニ丸君にあげちゃおうかなー!」
「キャー!このエロ蟹ー!!」

こんな調子で世の中全ての蟹が浮かれっぱなしであったが、カニ子は一年で元旦が最も憂鬱な日であった。
というのも元旦にカニ子の軌跡はちょうど太陽の通り道と重なってしまうのだ。
そして岩は軌跡の東端にある。
つまり岩が邪魔で初日の出を地平線から拝むことはできないのだ。
カニ子はあの忌々しい岩の上から太陽が出てくるのを待たなければならない。

蟹交線 図4


(またこの日がきちゃった。)

カニ子がそう一人で思いふけっているところにカニ夫がやってきた。

「やぁカニ子ちゃん。」
「あ、こんにちはカニ夫君。」
「あれ?どうしたの暗い顔してさ。」
「うーん、ちょっとね。」
「ちょっと、どうしたの?」
「うんとさ、まぁ毎年のことなんだけどさ、みんなは初日の出見られるのにどうして私だけ見られないのかなって・・・悩んでもどうしようもないことなんだけどさ。」
「あ、この岩のせいか。太陽と岩が丁度重なっちゃうってわけか・・・。」
「そうなの。でも別に生まれてからずっとそうだから全然気にしてないわ。夏とかはしっかり日の出見えるしねっ。」
「これ・・・壊せないの?」
「え!?壊す!?無理だよー!なんかね、よく分かってないんだけど、この世界で一番硬い成分でできてるみたい。それにねこの岩を傷つけようとすると祟りにあうっておばぁちゃんが言ってたわ。」
「うーん。ハサミで岩殴ってやりたいけどちょっと届かないわ。あ、ちょっと待ってて、俺ホームからバット持って来る。」
「えっ、いいよ!無理だから・・・。」
「いいからいいからっ。」

そう言ってカニ夫は一目散に家に戻るとバットを取り、また岩の前に来た。

「やめなよカニ夫君。思いっきりバットで岩叩いたりしたらハサミ痛めちゃうし、それに祟りにあうかもよ。」
「祟りなんて恐くないさ。」

そう言ってカニ夫はバット大きくを振りかぶり渾身の力を込めて岩を叩いた。
ガチン!という大きな音が響く。
しかし岩は全く欠けない。
ただバットが少しへこんだだけだった。

「そら!もういっちょ!これでもかっ!!」

何度も何度も岩を叩くカニ夫。
しかし岩はびくともしない。

「いいって無理だから・・・。」

ガチン!ガチン!ガチン!
叩くたびにバットはへこんでゆき、20回程叩くととうとう使い物にならなくなった。

もちろんカニ夫もこんなことをしても岩を壊せるとは思っていない。
でも初日の出が一人だけ見られないなんてあんまりだと思ったし、そんなカニ子のためになにかをしないではいられなかった。

「はぁ、はぁ・・・だめだー。岩超硬い・・・。」
「ありがとう、カニ夫君。」
「いやでもなんにも変わんなかったよー。役にたたねー俺。」
「ううんそんなことないよ。ここまでしてくれたのはカニ夫君が初めてだったから私・・・嬉しくて・・・。」

目にうっすら涙を浮かべてカニ子が言った。

「泣かないでよカニ子ちゃん。でもさ、チョキはグーに勝てないみたいだ。」
「そうみたいだね、せめてパーが出せればね・・・。」
「はははっ、面白いこと言うねカニ子ちゃん。・・・ん、そうか、パーか!カニ子ちゃん!パーだよ!」
「どうしたのカニ夫君?」
「パーを出せばいいんだ!明日の朝、初日の出の時間ここで必ず待っててね!パーを出してやるよ俺!!」
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