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科学するクライミング5~前腕の太さの成長は保持力アップに繋がるか~|mickipedia

科学するクライミング5~前腕の太さの成長は保持力アップに繋がるか~

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再び「前腕の太さと保持力」シリーズです。
これまでは色々なクライマーの前腕の太さと保持力の関係を調べてきました。
今回は僕が約9ヶ月で「前腕が成長したのか」「保持力はアップしたのか」「そこに関係性はあるのか」を検証してみたいと思います。



目次
■これまでのおさらい
■成長方法
■結果
■統計学的視点から
■生理学的視点から
■終わりに



■これまでのおさらい
まずこれまでの実験の記事は以下の通りです。
科学するクライミング2~前腕が太いと保持力は強いのか~
科学するクライミング3~続・前腕が太いと保持力は強いのか~

基本的な定義等をもう一度書いておくと

・保持力の定義は「親指を除いた4本の指が支えられる最大重量」とする
・保持は「メトリウスのロックリングスの一番下段に3秒間片手4本でぶら下がること」で認められる
・前腕の太さは「腕に力を入れない状態でまっすぐ伸ばした際の前腕の最も太い部分」を測る


です。



■成長方法
今年の1月頭に測定した際には、
僕の前腕の太さは測定した12人のクライマーの中では下から2番目で、
保持力も真ん中以下でした。

これをうけて、さすがに鍛える余地があるんじゃないかと思い
・前腕の筋動員率を上げるトレーニング
・前腕を筋肥大させるトレーニング
を9月末までの約9ヶ月間、普段の登りに加えてやってみました。

・前腕の筋動員率を上げるトレーニング
これは、今の前腕の太さでもっと強い力を出すトレーニングです。
真の目的は前腕を太くすることでは無いので単に太くするだけではなく、きちんと力を出さないといけないわけです。
と言ってもそれほど複雑なことはしていなく、毎日少しだけ細かいホールドを使うような強度高めの課題を触ったり、週2くらいでキャンパシングトレーニングをやってみました。
細かいホールドに強くなったかは不明ですが、キャンパシングでの距離出しや接触筋は強くなった気はします。

・前腕を筋肥大させるトレーニング
そしてこちらが、単に前腕を太くするトレーニングです。
筋肥大するには一般的には「6~12回で限界が来る程度の強度の運動」を「1分程度のインターバル」で「3~5セット」を「週1~2回程度」やれば十分なようです。
前腕の筋肥大にはフィンガーロールというバーベルを指で巻くように手を握り込むトレーニングをするようですが、クライミングジム内でトレーニングを完結させたかったので、僕は秘密兵器を使用しました。
それが通称「タカギローラー」「コロコロ」などと呼ばれるこの器具です。

ローラー

これはライノ常連の高木さんが作成したのですが、ぶら下がる部分が回転するようになっているので、ぶら下がって指を巻いたり伸ばしたりすることで前腕筋の伸縮運動をすることができます。
10回程度で限界が来るように重りを背負ったり、指の本数を変えることで筋肥大を狙ったトレーニングが可能となるわけです。
始めたばかりのころはトレーニング後に指が攣るほどの負荷を前腕に与えることができます。
また、週2回の筋肥大トレーニングの後にはプロテインも30g程度摂取していました。

ちなみにトレーニング関係の本は色々ありますが、僕がよく読み返すのは以下などですかね。

クライミング関係では『フリークライミング』(山と渓谷社)。
発売から10年経ちますが、未だにこの本以上のクライミングの教本はないのでは。
特に新井裕己大先生によって書かれたトレーニングに関する部分は必読です。


一般的なトレーニング系としては『スポーツトレーニングの基礎理論』(西東社)などが図も多くてわかりやすいです。




■結果
このようなことを週2回で9ヶ月程度続けた結果が以下になります。

前腕成長

・前腕の太さ
まず前腕の太さは0.9cmアップしました!
これにはやはり「タカギローラー」によるフィンガーロール効果が大きかったのではないかと思っています。
「タカギローラー」をやった直後だと更に0.5cmくらいはパンプして太くなっているので、筋肥大の方向に負荷がかかっているのではないかと。

・体重
しかし体重も1.55kg増量しました。
同時に広背筋等のトレーニングもしたりしたのでそちらの影響もあるとは思いますが、やはり脂肪がある程度まで落ちているクライマーは増量無くして筋肉を増やすことは難しいです。
2月くらいには55kg程度まで落としていたので、最低時からは衣服を差し引いて考えてると4kg程度増えたことになりますね。
でも登りの方で身体が思いと感じることは特にはないです。
指が少しダルい感じになることはありますけどね。

・保持力
そして肝心の保持力ですが、保持できるMAX負荷で10.05kg、体重分も入れると11.6kgアップしました!
これはかなり嬉しいですね。
登っていても、これまでよりもホールドが持てるようになった、、、、気がします。たぶん。


ちなみに左手に関しては、1月は太さだけで保持力は測っていなかったのですが、
前腕の太さ:24.5cm→25.6cm と1.1cmアップ
保持できるMAX負荷:9.85kg
となり、依然として左右差はあるのですが少なくとも成長はしているようです。


■統計学的視点から
さてここまでの前段で既に長くなっているのですが、ようやく「前腕の太さと保持力の関係」を見てみましょう。
何が知りたいのかというと、
・前腕を太くしたことが保持力アップにどう繋がったのか
・太くしなくても、筋動員率を上げるだけで(つまり悪い課題を登ったり、キャンパするだけで)保持力はアップするのではないのか

ということを確かめたいのです。

まずはこれまで15本の前腕と保持力のデータがあるのでそちらから統計学的なアプローチでの検証を試みます。
これまでのデータを表とグラフにしたものが以下です。
何気にライノのYou君も今回測定しました。
前腕が太い割には保持力は普通です。笑

前腕表

前腕グラフ v01

本来ならば、これらのデータから
「前腕が○○cm太くなると、保持力がxxkg~xxkgアップする」
のように結論付けたいのですが、ちょっと難しそうです。
というのも両側t検定でp=0.11なので、有意水準5%を満たしていないのです。
つまり簡単に言うと、「前腕の太さと保持力が無相関」だということがこのデータからは否定できないのです。
(ちなみに、りょーがのデータを除くと、有意水準5%は満たします。りょーがの前腕が保持力のわりにあまりに細すぎる。笑)

なので、こちらはあくまで現在のデータポイントの関係を確認するだけで、こちらから何か数値を言うのはやめておきます。
更なる前腕と保持力のデータ数を取りたいので、測りたい方は声かけてください!



■生理学的視点から
しかし、「何も言えませんでした」では面白くないので、既にわかっている生理学的なデータから検証してみたいと思います。
半端なくざっくりいきますのでご注意を。

まずネットに転がっているデータからいくと
「筋肉は断面積1cm2あたり、4kg~8kg程度の力を発揮するようです」
これが前腕にも適用できると仮定します。

僕の1月時点での前腕の最大部の周囲径は25.8cmなので
断面積(1月時点)=半径^2×π=(25.8cm÷2π)^2×π=53.0cm2

9月時点での前腕の最大部の周囲径は26.7cmなので
断面積(9月時点)=(26.7cm÷2π)^2×π=56.8cm2

つまり実際に増加した断面積は56.8cm2-53.0cm2=3.8cm2

断面積の増加分は脂肪と筋肉だと仮定し、僕の体脂肪率9%を前腕にも適用すると
正味の前腕筋肉増加分の断面積=3.8cm2×9%=3.4cm2
となります。

1cm2あたり4kg~8kgの力を発揮するようですので、生理学的に増加すると推定される保持力は
3.4×4kg~3.4×8kg、つまり13.6kg~27.2kgとなります。

今回増加した保持力は11.6kgですので、、、、保持力の増加はほとんど前腕の太さアップに寄与しているものだと考えることができてしまいます。というかむしろそれでも足りない。笑
これを認めると、僕の筋動員率はむしろ低下していると考えなければなりません。
キャンパシングやカチ課題の日々はなんだったのでしょうか、、、。

まぁこちらはお遊びで。



■終わりに
結局前腕が太くなったことがどの程度保持力に影響しているかは正しくはわからなかったけれど、保持力が上がっていることは事実なのでまぁいいでしょうかね。
あとはこれを登りに反映させなければならないですね。

それと「シオマネキ」とも呼ばれた、この前腕の左右差をどうにかしないといけないですね。
1cm違いますからね。

保持力測定はその日のコンディションとかフリクションも影響すると思うのでこれからも定期的に測定したいと思います。
それと統計解析や生理学をもっと勉強せねば、、、。

長くなりましたがこんな感じで終わります。
ではでは。
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