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基礎の破壊~真の上達をするためのたった一つの方法~ |mickipedia

基礎の破壊~真の上達をするためのたった一つの方法~

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「さあ全部受け取ろう
そしてはじから全部捨ててこう」

ゆらゆら帝国 『ミーのカー』





目次
■はじめに
■物理に見る基礎の破壊
■オセロに見る基礎の破壊
■クライミングに見る基礎の破壊
■おわりに



■はじめに
いかなる物事においても基礎は大切だ。
基礎をしっかりと習得しない者はいつまで経っても上達しない。
しかし、基礎を積み重ねるだけでは真の上達を得ることは出来ない。
真の上達とは身につけたその基礎を破壊するときに訪れるものなのだ。



■物理に見る基礎の破壊
受験物理の力学において基礎とは何だろうか。
それは言うまでもなく「運動方程式を立てて、それを解けること」である。
塾講師時代「如何なる問題においてもまず運動方程式を立てろ」と僕は教えてきた。
例えば次のような問題ではどうするか

「質量mの質点を初速度0で自由落下させた。高さhだけ落ちたときの速さを求めよ。」

まず運動方程式を立てるべきであるので、高さ方向の位置をxとすると質点mにかかる力は重力の-mgのみなので、質点mに関する運動方程式

m(d/dt)(dx/dt)=-mg

を立てることができる。
時間tに関して2階積分し、初速度0の初期条件から、h落ちたときの時間t1は

t1=√(2h/g)

となる。
これを運動方程式のtに関する1階積分の式に代入すると、求める速さV1は

V1=√(2gh)

となることがわかる。

このように運動方程式とその解き方を身につけることはまさしく受験力学の基礎であり、
これが出来てようやく初心者から初級者になったと言う事ができる。
しかし、ある程度の実力が付いてきたら「運動方程式を立てて、それを解く」という基礎的な問題の解き方から脱するべきである。
なぜなら「エネルギー保存則を立てて、それを解く」というより本質的な思考へ切り替える必要があるからである。
「エネルギー保存則」は「運動方程式」とは違い力学に限らない物理のあらゆる分野に流れる本質の法則であるし、何より受験物理では「運動方程式」よりもスマートな解き方ができることが多い。
この問題でエネルギー保存則を使えば、いきなり

(1/2)m(V1)^2=mgh

という式を立ててV1を求めることができる。

とは言え、物理初級者がエネルギー保存則をいきなり理解することは難しい。
まずはシステマティックな運動方程式という基礎を学び、ある程度物理への考えが深まってきたところでその基礎を破壊し、エネルギー保存則というより本質的な概念を学ぶべきなのである。




■オセロに見る基礎の破壊
素人同士のオセロで勝つにはどうしたら良いかと聞かれたら僕はこう答える。
「オセロは隅を取ったら有利だよ。逆に言えば隅を取られてはいけないから、隅の隣には置いてはいけないよ。」
このアドバイスを徹底すれば素人同士の戦いでは9割方勝つことができるのではないかと思う。
その意味でオセロの基礎は
「隅を取る。隅の隣に置かない。」
と考えることができる
しかし、有段者からすると(というか3級くらいの人からしても)この基礎は実はちゃんちゃらおかしい。

この盤面を見て頂きたい。白の最善手はどこか。
基礎の破壊_オセロ
ここでもし
「隅を取る。隅の隣に置かない」
というオセロの基礎に従えば白が打つべき手はA1の一択である。
しかし、実はA1では白は負けるのである。
白にとっての唯一の勝ち筋はG7なのだ。
これは「隅を取る。隅の隣に置かない。」というオセロの基礎に真っ向から反した手である。

もしオセロである程度強くなろうと思えば、「隅を取る。隅の隣に置かない。」という基礎よりも本質的な手筋や理論を学ばなければならない。
オセラー以外には意味不明であろうが、ここでするべきは

「偶数理論から考えると、左下の3個空きに先着すべきだ。
しかし下辺がピュアウイングなのでB7では黒に連打されてしまう。
とするとA8から打たざるを得ない。
幸いなことに下辺はウイングなので根元のG7に打てば、A8を取ることができる。
よし、G7だ。」

という思考である。
「隅を取る。隅の隣に置かない。」
などという甘っちょろい「基礎」は直ちに破壊しなければならないのだ。

とは言え、オセロ初級者がいきなり「偶数理論」「連打」「ウイング」などを学ぶことは難しい。
まずは「基礎」である「隅を取る。隅の隣に置かない。」をしっかりと身につけた上で、
ある程度の棋力が付いたら、その基礎を思いっきり破壊するべきなのだ。




■クライミングに見る基礎の破壊(写真は毎度お馴染み、山と渓谷社の『フリークライミング』より)
くどいようだが3例目。
クライミングの基礎が何かというと人によって意見が分かれるとは思うが、僕は初心者の人にはまず「ダイアゴナル」を教える。
ダイアゴナルというのは
「対角線の手と足で体を安定させたままホールドを取りに行くムーブ」
のことである。
右手を出すならば、体は「左手」と「右足」の対角線で安定させ、
左手を出すならば逆に「右手」と「左足」で安定させる登り方である。
なぜダイアゴナルを使うべきかというと、例えば「右手」と「右足」を支点にしてしまうと、まるでドアの様にバタンと体が振られてしまい、安定させることが難しいからである。
初心者の内は徹底してダイアゴナルという基礎的な動きを身に付けることが上達の早道なのである。

・ダイアゴナル(左手と右足で体を安定させている)
基礎の破壊_ダイアゴナル
しかし、ある程度登れるようになってくると必ずしもダイアゴナルを使わなくても体を安定させることができるようになってくる。
例えば同じ側の手足を使った「フラッギング」というムーブを使って体を安定させることもできるからだ。
場合によっては不要な足の入れ替えなどを行わないためにフラッギングで登るほうが効率が良いことも多い。
そうなると
「大切なのは体の左右で均等なバランスを取る、所謂カウンターバランスを使うことであって、その際ダイアゴナルであろうと、フラッギングであろうと構わない。
むしろカウンターバランスすら取らないで、ダブルダイノなで解決した方が効率が良い場合もある。」
などとわかってくるのだ。

・アウトサイドフラッギング(左手と左足で体を安定させている)
基礎の破壊_アウトサイドフラッギング

・ダブルダイノ(両手での飛びつき)
基礎の破壊_ダブルダイノ

上記のようにダイアゴナルという基礎にとらわれることなく、それを破壊し、新たなカウンターバランスなどの高次の概念を身につけることが中級者への第一歩となる。

しかし、間違ってはいけないのが、初心者の内はカウンターバランスがどのようなものであるのか体感できないので、ダイアゴナルという基礎の練習は有用な手段であるということだ。
ここでもやはり、徹底的に基礎の型を習得したのちに、その型を壊すことがさらなる上達への道であることが見て取れないか。



■おわりに
題名ではセンセーショナルに「破壊」という言葉を使っていますが、
言葉を補うと

「ある物事の背景にある本質的な体系を初心者はいきなり理解しづらいことが多い。
そのためまずは便宜的に、本質的な体系よりは陳腐な所謂『基礎』を学ぶことが成長の第一歩となる。
そしてさらに上達するにはこの『基礎』から脱して、より本質的な体系を身につけなければならない。」


といったところでしょうか。

それと基礎を壊した瞬間が、その物事が一番面白いと感じる時な気がします。
視野が一気に広がって、明確なレベルアップを感じる瞬間です。

さぁ、レッツデストロイ基礎!
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