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クライミングのルールの考察1~ボルダーのスタートで静止する必要はあるか~|mickipedia

クライミングのルールの考察1~ボルダーのスタートで静止する必要はあるか~

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クライミングのルールで自分の中で整理できていない事項がいくつかあるので、少しずつ整理をしていきたい。
第一回のテーマは「ボルダーのスタートで静止する必要はあるか」。

目次
■問題意識の発端
■IFSCルールでは
■草コンペでは
■外岩では
■終わりに



■問題意識の発端
ボルダリングのルールを初心者などに説明する際、以下のような説明をよく耳にする(僕もこう説明する)

"同じ色と形(or番号)のテープだけを使って登って下さい。
スタートホールドを両手で持って離陸して静止してから登り始めて下さい。
ゴールホールドを両手で持って静止したら完登です"


「ゴールホールドを両手で持って静止」は全てのクライマーが共通で理解しているルールであると思う。
(この記事では触れませんが、「ゴールホールドに両手で触る必要があるのか」「厳密に静止する必要があるのか」に関しては別記事で整理をしたいです)
そして、「スタートホールドを両手で持って離陸して静止」に関しても当然のルールと感じているクライマーは多いように思える。
実際に草コンペで、スタートで静止していないためにトライ失敗と見なされたケースも僕は見たことがある。

しかし、このスタートで静止というのがどのような状態を指すのか曖昧であるため、個人的には長らく気持ちが悪かった。
ゴールやボーナスに関しては静止したか否かをジャッジがコールするのに対して、スタートに関してはジャッジのコールがないことも気持ち悪さの一因だろう。

ということで、「ボルダーのスタートで静止する必要はあるか」ということをこの記事では整理したいと考える。



■IFSCルールでは
競技としてのクライミングに関してはIFSC(International Federation of Sport Climbing: 国際スポーツクライミング連盟)がおそらく最も体系だったルールを構築している。
ワールドカップなども基本的にはIFSCルールで行なわれるため、まずはIFSCルールでスタートがどのように記述されているか見たいと思う。

まず結論から言ってしまうと、
IFSCルールではスタートで静止する必要はない
が答えである。

ボルダーのスタートに関するルールを抜粋するとこう書いてある(IFSC競技クライミングルール2013年度版日本語訳より)

7.9.1 各ボルダーでの選手の競技開始は通常以下のとおり:
 a) マーキングされたハンドホールドを両手で保持
 b) スタートとしてマーキングされたフットホールドがある場合、片足をそのフットホールドの内の1つに置く
ボルダーのスタートとして両足のフットホールドがマーキングされている場合、選手はそれ以上の
ムーブをおこなう前に、残りの足を残りのフットホールドに置かねばならない。



この「保持」という言葉が曖昧であったため、原典を見たが

7.9.1 Competitors shall normally start each boulder:
a) With both hands on the marked hand-holds



となっており、あくまで両手をホールドに置けば良いと書いてあるだけなので静止は求められていないことがわかる。

ちなみに、ゴールやボーナスに対しても日本語では同じ「保持」という言葉を使うしかないが、原典では「control」という言葉が使われ以下のように明確に区別されている


完登
7.9.4 選手が以下のいずれかを、いずれの場合も選手に与えられた競技時間内におこなったことをボルダー・ジャッジが確認した上で、「OK」と声をかけることでボルダーの完登となる:
 a) マーキングされた終了ホールドを両手で保持(control)する
 b) ボルダーのトップに 7.2.6b)で規定された表示がある場合は、ボルダーの上に立ち上がった状態になる

Completion of Attempt
7.9.4 An attempt on a boulder shall be considered successful when the Boulder Judge has announced “OK”, having determined that the competitor has either:
 a) Controlled the marked finishing hold of the Boulder with both hands; or



選手が安定した体勢をとるか、あるいはその体勢を制御し得た場合、そのホールドの「保持」
(controlled)と判断する

A hold shall be considered as “controlled” where a competitor has made use of the hold to achieve
a stable or controlled position



つまりゴールやボーナスでは静止(制御のほうが適切か)することが求められているのに対して、スタートでは静止することは全く求められていないのである。

このためワールドカップなどでは両足をフットホールドにタッチさせるだけで静止しないでスタートしている選手も多い。



■草コンペでは
しかし、全てのコンペがIFSCルールに従う必要は全く無い。
そのコンペごとに競技規則を定め、選手はそれに従えば良い。

草コンペをいくつか調べた限り、大きく以下の2つのルールに分かれると思われる
1. スタート時は両足をホールドか壁に置く
2. スタートは離陸して静止

2.1 アテンプトは、定められたスターティング・ポジションから選手の身体のあらゆる部位が地面から離れたと
きに開始とする。
※スターティング・ポジションとは、定められたスタートホールドを両手(左右異なる場合もある)で保持し、
両足を定められたホールドか壁に置く状態である。

BLoC 2011 競技規則



③ スタートの条件は基本的に両手で両足が地面から離れて静止した状態でスタート。
TNFC2013本戦大会ルール



要は普通にスタートしてほしい課題で「スタートホールドを持ったまま1手目に地ジャンする」などを防ぐために、両足をホールドor壁に置く、もしくは静止というルールを入れているのである。

ただ個人的にはやはり「静止」が何を指すのか気持ちが悪いので「両足をホールドか壁に置く」で統一した方が良いのではないかと考える。



■外岩では
最後の問題は「外岩ではスタートで静止する必要はあるのか」である。

外岩には明文化されたルールはほとんどなく、スタートのハンドホールドすら指定されていないことも多い。
実際に「スタートは手の届く範囲でどこからでも良い」とするリードクライミングの様な考え方を適用する人もいる。
しかし個人的には外岩に関してもルールを明文化したいという気持ちはある。
なぜなら、例えばスタートのハンドホールドを指定しなければ極端な話「蟹(三段)」と「忍者返し(1級)」が違う課題であることを厳密には説明できない。
あの二つの課題はスタートのハンドホールドを指定して初めて違う課題に成り得るのだと思う。
それに小山田大さんの「Story of two worlds(V15)」のように登った後に文句が入るケースも実際に出ている。(参考:雪山大好きっ子+ 小山田大、Story of two worlds完登
外で岩を登るという単純なことに対して厳密なルールを定めることが、クライミングの文化と相容れないという気持ちももちろんあるのだけれど。

話が少し脱線したが、外岩でのスタートの仕方を明文化するとしたら、以下の4パターンくらいが簡単には思いつく


1. スタート時はハンドホールドのみ指定
2. スタート時はハンドホールドのみ指定、ただし離陸して静止してからスタート
3. スタート時はハンドホールドのみ指定、ただし両足を岩に置いてからスタート
4. スタート時はハンドホールド及びフットホールドを指定


1. は非常にシンプルだが、このルールの下ではスタートを持ったまま1手目に地ジャンができてしまうという問題点がある。
例えば瑞牆の「燃えた地図(二段)」や小川山の「スパイヤー岩のスラブ(4級)」は両足を岩に置いた後に1手目を出すよりも、片足を地面に置いたまま1手目に地ジャン気味に飛びつく方が非常に楽な課題である。
このようなスタートの仕方をもし認めないのであれば、1.のルールでは不十分ということになる。

2. のように静止を入れれば少なくとも1手目への地ジャンは防げる。
ただ何度も書くようだが、静止というのがどのような状態を指すのか非常に曖昧であるため、個人的にはちょっと気持ちが悪い。

3. は個人的には最も現実的なルールであるように思える。静止する必要はないが、両足は少なくとも岩に置いてからスタートすべきというもの。IFSCルールとあえて整合性を取ろうとするのであれば、フットホールド2つが岩全体どこでも良いとされていると考えれば良い。

4. はより厳密にIFSCルールに近づけた考え方。フットホールドの位置も初登者が指定する。ただここまで決めるとなんとなくクライミングの自由さが奪われたような気がしてしまうかもしれない。


ということで外岩でも基本的には
「静止する必要はないが、両足は岩に置いてからスタート」
と考えて取り付けば問題はないような気がする。
もちろん特殊なスタートの課題はあるだろうし、初登者の考えを優先するべきだが。



■終わりに
たった1つのテーマなのに非常に長くなってしまいました、、、。
整理したいテーマはまだまだ多いので少しずつやっていこうと思います。
とりあえずは「地ジャン」「アテンプトとは何か、スタートとは何か」あたりは自分の中で整理したいテーマです。
ではまた!
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