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クライミング|mickipedia

2017年ボルダリングWC最終戦前のランキングとすげー細かい話

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さて、いよいよ2017年のボルダリングワールドカップ(以下、BWC)も8月18,19日のミュンヘン大会(書いている時点で今日明日)をもって最終戦となりました。
ニュースやSNSでもそれなりに話題となっているので、今更僕が見どころとかを書くのも何か違う気がするのでmickipediaらしく少しマニアックに「データ」と「ルール」の面から触れたいと思います。



目次
■BWCランキングの確認
■S代表権の行方
■ワールドカップランキングの小数点計算
■消えた選手
■BWC最終戦を観るには



■BWCランキングの確認
まずはBWCの現在のランキングを再度確認しておきましょう。
BWCは年間数戦ありますが、各大会ごとに順位に応じてポイントが付き最終的に年間ランキングが付くのです。
順位ごとのポイントや細かいルール等はこちらから:2016ボルダリングWC、男子年間チャンピオンの行方を考える~前編~

では現在のランキング20位までを男女それぞれ確認しておきましょう。

2017BWC 男子
2017BWC 女子

そして優勝すると100ptが入るのですが、女子は1位のショウナ選手が2位の野中選手に100pt以上の差を付けているのでランキング1位が確定です。
一方で男子は以前ブログに書いたように、チョン選手、アレクセイ選手、渡部選手の三つ巴で目が離せないわけです。
(参考:2017ボルダリングWC、男子年間チャンピオンの行方を考える



■S代表権の行方
で本題に入ると、知っている方も多いとは思いますがワールドカップランキングは翌年の代表権に大きな影響を与えます。
というのも最終的なワールドカップランキング(訂正)翌1月1日のワールドランキングで10位以内に入るとS代表権が獲得でき、翌年のワールドカップに優先的に出場することができるからです。

※追記※
勘違いをしていたため訂正します。
ややこしいのですが、ワールドカップランキングの他にワールドランキング(世界ランキング、などとも呼ばれる)が存在します。
(混乱を避けるためワールドカップランキングを年間ランキングなどと言うこともある)
こちらは計算が非常にややこしいのですが
・ワールドカップランキング(年間ランキング)の点数を各大会の参加選手に応じて圧縮する
・世界選手権のポイントも加える
という作業が発生します。
つまり、ワールドカップランキング(年間ランキング)で10位以内でも、世界選手権などを終えたワールドランキングで10位以内に入るかはわからないため、ミュンヘン戦後に結論を出すのは早急です。
※追記※


そういう観点からもう一度BWCのランキングを見てみると、なんと男子は現時点で渡部選手、楢﨑智亜選手、藤井選手、杉本選手、緒方選手、楢﨑明智選手、堀創選手と日本人が7名も10位以内に入っているというかつてない成績になっています。
手元で簡単に計算したところでは、杉本選手までの上位4人の日本人は最終戦を前にして10位以内は確定ですが、その他の選手にとっては最終戦の結果次第ではまだS代表権が獲得できるかはわからないため、このミュンヘン大会は非常に重要なのです。
また17位の原田選手も、優勝か準優勝をすれば100ptないし80ptが加算されるため、10位以内の可能性はまだ残っています。

そして女子も、日本の4強である野中選手、野口選手、尾上選手、小武選手は皆きっちり10位以内に入っております。
しかし9位、10位の尾上選手と小武選手はS代表権獲得という意味では全く予断を許さない状況なわけですね。

※追記※
こちらも同様にワールドカップランキング(年間ランキング)で10位以内であっても、ワールドランキングではどうなるかは不明のため、S代表権獲得が決まるわけではありません。
混乱をさせてすみません。
※追記※

しかもミュンヘン戦はご存知のとおり、男女ともに海外のスーパースター達が勢揃いといった大会なので上位を獲得することはより厳しい大会となっています。
そいういう観点からも最終戦をみるとより応援に熱が入るかもしれませんね。



■ワールドカップランキングの小数点計算
ではここからは超マニアックなルールの話。
一応BWCランキングの得点計算表を再掲すると以下の様になっております。

得点順位

もし複数の選手が同順位を取ると、選手達が占めたとされる全順位の平均得点が対象選手に与えられます。
例えば16位が4名いたら、16~19位までの得点(20+18+16+14)の平均の17ptが4名に与えられるということです。

そして今回気になったのは小数点以下の処理に関してです。
例えば29位タイが二人出たとすると(2pt+1pt)の平均で1.5ptとなるわけです。
この場合を日本語版のIFSCルールで確認してみたところ

11.7.2
ポイントは、小数点以下を四捨五入する



と書いてあるわけです。
そうすると1.5ptの四捨五入で2ptずつが与えらえる計算になります。
しかし、実際のポイントを見てみると29位タイの場合にはなんと1ptしか与えられていないのです!
(参考リンク:BWCランキング ブラウザによっては見れないです、、、。IEならほぼ確実に見れるかと)

ブログの最後に触れますが、今回お仕事で最終戦のポイント計算をするためこの差異は僕にとっては死活問題。
で、IFSCルールの英語版をあたったところ。

The points will be rounded off to whole numbers



と書いてありました。
英語の一般的な使われ方にあまり詳しくないのですが、おそらくこの場合のrounded offは四捨五入ではなくて「小数点以下を切り捨てる」という意味で使われている気がします。
なので実は日本語版のIFSCルールが違っていて、小数点以下は切り捨てとして良いのではないでしょうか。
(ただround offは使い方では四捨五入も意味することもあるかもしれません。切り捨てはround downとした方が間違いがない表記に思えるのですがどうなんでしょうかね。excel関数でもそうなっていますよね)



■消えた選手
あとマジで謎でtwitterでもつぶやいたのですが、イランのゴラームアリー・バラツアデウ(Gholamali Baratzadeh)選手がなぜかランキングにいないんですよ。笑




準決勝も2回進出していて本来なら54ptで24位となかなか良い位置にいるはずなのですが。
しかも第3戦で他の選手と29位タイを取っているので、他の選手のポイントにも影響が出ているという事態に、、、。
もし詳細を知っている人がいたら教えてください。



■BWC最終戦を観るには
さて、重箱の隅を突く話ばかりでしたが、これでミュンヘン戦を観る心構えはみなさんできましたね!
ミュンヘン戦は日本時間で以下の時間です。
予選 8月18日(金):15時~
準決勝 8月19日(土): 17時~
決勝 8月20日(日):1時~ (19(土)の深夜25時~)

予選は放送はおそらく無いのですが、
IFSCのページのリザルトから観るか、スマホ用のアプリからチェックできます。

準決勝と決勝はいつも通りIFSCがYoutubeで英語ですが配信します。

準決勝


決勝



またスカイANHK BS1でも日本語でライブ配信します!

こちらに年間ランキング算出等の関係で僕も関わらせてもらう予定です。

一緒に最終戦の行方を手に汗握りながら観戦しましょう!
選手のみなさん、楽しんで頑張ってください。

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北海道旅行の隙を突いてクライミング 2017年夏

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たまにはクライミング日記でも。
むっちゃんの両親との普通の北海道旅行の絶妙な隙を突いて、ちょこっとクライミングしてきました。


■名寄・見晴岩
名寄の見晴岩はリードクライミングの課題が豊富なエリアで、旭川の北に位置します。
旭川空港からは車で1.5時間程度。
あの吉田和正さんが国内切ってのハードなルートを開拓したことでも有名です。
(参考記事:眠れぬ夜に吉田和正さんの過去記事を読み返す

砂岩と安山岩が混ざったような岩質で掛りが良く手に優しいポケットが空いていたり、板状節理のためか同一方向のガバ気味の棚があったりと、12台でもグイグイ登れるルートが多いです。
九州の水俣ボルダーに少し似ていたかな。
(参考記事:クライマーのための、岩質ごとの特徴まとめ~前編:岩石の分類~
クライマーのための、岩質ごとの特徴まとめ~後編:個別の岩質の特徴~

どしゃぶりの雨でしたが、少しでも乾いている岩を選んで3便くらいなんとか出すことができて、「サンピラー」(12b/c)というめっちゃカッコ良い三ッ星のルートが登れて満足でした。

是非また来たいエリアですね。

・「サンピラー」 中央のカンテをトップまで登ってマントルを返す。見晴岩の名の通り、頂上からの見晴しが最高。おそらく20mちょいあって持久系だけど強度的には登り易めのルート。
変換 ~ sannpira-

・「Hard luck to me」 14a?左の垂壁の中央を登る。吉田さん初登のショートルート。5ピンくらいかな?とにかく1手1手悪そう。
変換 ~ hardluck

・「見張塔からずっと」 14a/b?左のライン。こちらも吉田さん初登。かなりカッコ良いです。まだ第3登とかしか出ていない?右のラインはプロジェクト
変換 ~ 見張り塔



■WhipperSnapper
最終日に3時間くらいだけですが、PAXさんとあさきちゃんのジムであるウィップスに行ってきました!

お世辞で無く課題が全部面白かったですね。
ほぼレストなく撃ちまくりました。
とくにメインの曲面壁は迫力もあるし、ムーブも真っ向系なのでめちゃくちゃ登りごたえあり。
絶対に外さないジムなので北海道に来たら寄るべき!
雰囲気もまさにクライマーが作ったジムという感じで居心地良いです。

変換 ~ うぃっぷす


■その他観光
その他は旭山動物園に行って、あとは食べまくりました!
リフレッシュできた4日間でしたね。
今度は岩メインで来たいです。

・旭山動物園のキングペンギンなど
変換 ~ ペンギン

・ラーメン 写真が絶望的に下手だ、、、
変換 ~ ラーメン

・ジンギスカン
変換 ~ ジンギスカン

・寿司 回転寿司だけど美味い
変換 ~ sushi

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クライミングにおける認知的不協和をどう解消すべきか

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今回は、昔に書いたセルフハンディキャッピングの記事に続く、クライミング心理学第2弾。
テーマは「認知的不協和」です。

目次
■認知的不協和とは
■認知的不協和は行動を持って解消すべき
■自分のクライミングでの過去の例
■クライマーは認知的不協和をどう解消すべきか
■終わりに



■認知的不協和とは
まず認知的不協和とは何かを説明しますね。
手元の『社会心理学』(岩波書店)にはこう書かれています。

さまざまな対象に対してわれわれがもっている知識や信念・意見を認知要素と呼ぶ。
このような認知要素の間の関係に注目し、認知要素間に矛盾がある場合に認知的不協和という不快な緊張状態に陥る
さらに、人はこの不快な緊張状態を解消して矛盾のない協和な状態にしたり、不協和をさらに増大させるような状況や情報を積極的に回避する。



例を出した方がおそらくわかりやすいですね。
本の例をそのまま載せますが、たとえば、喫煙者にとって「喫煙は健康を害する」という認知と「自分はタバコを吸う」という認知は不協和な関係にあります。
これがまさに認知的不協和に陥っている状態です。

この場合、一般的に人は以下の3つの方法で不協和を解消しようとします。

1. 認知を変える
喫煙の危険性はまだ証明されたわけではない、調査方法がずさんだ、などと考える

2. 新しい認知要素を加える
喫煙は会話で間がもたないときに役立つ、緊張がほぐれる、などと考える

3. 不一致の重要性を低める
放射能、環境汚染などに比べれば喫煙の危険など取るに足らないものだ、などと考える

まぁざっくり言うと、自分の考えや信条を都合の良い方に捻じ曲げてしまう、ということをしてしまうわけですね。

イソップ童話の「酸っぱいブドウ」などはまさに認知的不協和が題材になっています。
キツネが、おいしそうなぶどうを見つけて食べようとして跳び上がりますが、ぶどうは高い所にあり届きません。
何度跳んでも届かないため、キツネは怒りと悔しさで「どうせこんなぶどうは、すっぱくてまずいだろう」と言って去ってしまうのです。
まさに「ぶどうがおいしそう」という認知と「ぶどうに届かない」という認知が不協和関係にあるところを、「ぶどうは酸っぱいはずだ」と認知を変えて不協和を解消しているのです。





■認知的不協和は行動を持って解消すべき
で、ここからは僕自身の考えになるので合っているか間違っているがわからないのですが、認知的不協和に陥った時に安易に考えや信条の認知を変えるというやり方に走ってしまうことが多いように思います。
例えば喫煙の例では、認知的不協和を解消するには「タバコを吸うのを止める」という行動を持って認知を変えても良いわけです。
しかし、行動を変えることは往々にして難しいので、「喫煙が健康を害する」というおそらく正しいであろう認知の方を無理矢理に変えたり捻じ曲げたりしてしまうわけです。

ぶどうの例だって、本来は「ぶどうに届かない」という認知を行動を持って解消すれば良いわけです。
つまりキツネはジャンプの練習をして、どうにか「ぶどうに届く」ように努力すべきなのです。
でもまぁ実際には本当に「ぶどうが酸っぱい」可能性もあるので、いつもがいつも行動を持って認知を変えることが正しいとは限りませんが。



■自分のクライミングでの過去の例
さて、前置きが長くなりましたがいよいよクライミングの話に入りましょう。
昔話を少しします。
僕がライノでよく登るようになった3~4年程前ですが、とにかく強傾斜が苦手でしたしキャンパシングなどの動きが大嫌いでした。
なので「緩い傾斜の方が面白い。足を残してこそクライミングだ」などと思い込み認知的不協和に陥らないようにしていたし、実際にそのようなことを言っていたように思います。
一方でスタッフのYou君は強傾斜大好きで足を切るキャンパシングのような動きを大得意としているのですが、彼と憧れるクライマーの話をした時に、You君は「小山田さん、オビさん」などと力強さの象徴のようなクライマーを挙げていたのに、僕はあえて緩傾斜に強いクライマーの名前ばかり挙げていた記憶もあります。
でも本当の心の底では「強傾斜で足をバッと切って、背中で耐えるような動きに憧れるなぁ」と思っていたはずなのです。

170809_認知的不協和


■クライマーは認知的不協和をどう解消すべきか
しかしやはりコンペに出たり、普段のセッションをしたりする過程で、強傾斜に強くなることや、ある程度足を切って耐えるムーブができるようになることは避けて通れない道だと気づきました。
そこからは積極的に強傾斜で練習をしたり、You君にキャンパ課題を作ってもらったりして、トレーニングをしてちょっとでも「強傾斜が弱い現状」の方を変えようと努めたつもりです。
未だにそれほど得意とは言えませんが。

でもこれはクライミングのあらゆる場面で顔を出しますよね。

例えば、「コンペで本当は活躍したい」「最近のコンペの課題は苦手」という認知的不協和に陥っている人が、安易に「コンペなんかで活躍してもしょうもない」などと考えを変えてしまう場合ですね。
それよりは「最近のコンペの課題も練習して得意にする」と自らの行動と変えるという流れに持って行った方がカッコ良いはずなのに。

他にもあるのは「カチに強くなりたい」「現状カチが弱い」みたいな認知的不協和状態の時に、「カチは痛いから嫌だ。だからやらない」みたいな謎な新たな認知要素を加えてしまう人など。
痛くても握れ!
行動を変えろ!

これ系の例はいくらでも思いつきますね。
最近のコツ系課題やバランス系課題になれてしまっていて、まぶし壁でガシガシ握るような真っ向勝負の動きができないクライマーが、「ただ握るだけの課題は面白くない」と言ったりする場合も同様のパターンですね。
これも「根本的に強くなりたい」という認知と「真っ向勝負課題が全然できない」という認知が不協和になっているのに、そこに新たな的外れな認知要素を加えて、挑戦を避けているのです。
コツ系課題やバランス系課題やコーディネーション系課題を何度やっても根本的には強くならない、真っ向勝負の先に強さはある、と気づいて行動を変えなければいけないんですよね。

なんかこれ以上書いていると自分でヒートアップしそうだからこのくらいにしておこう。笑



■終わりに
この認知的不協和は本当に日常の至る所で登場します。
認知的不協和に陥った際に、自分が何か言い訳や屁理屈を付けて考えを曲げようとしていたら、冷静に行動を正しく変えることで
解消できないか立ち止まって見直したいものですね。
なかなか自分自身では気づきませんが。

ではでは。
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クライミングのルールはIFSCが全てではない

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今日は続けざまにクライミングのルールに関する以下の様なツイートをしました。










それで気になったので一応コメントしておくと、これらはあくまでワールドカップなどのIFSC(International. Federation of Sport Climbing)が主催する大会で定められているルールです。
なので別にこれがクライミング界の絶対のルールではもちろんないわけであり、僕らがジムで普段登っている時にこれらを守る必要もないわけです。

例えば、たまに初心者の人がゴール両手マッチをせずに、片手保持しかしないまま降りてきてしまうのを見てそれを笑ったりしている人がいます。
でも別に「ゴールを両手マッチしなければクライミングじゃない」なんて誰にも決められないし、そんなものは各人の自由なわけです。
(まぁその初心者は「一般的にはIFSCルールが広く浸透していて、そのルールに則るとゴールは両手でマッチして身体をコントロールしなければならない」ということも知らないはずなので、それとなく教えてあげた方が親切ではあると思いますが)

例えば以前ヅッカーさん(あまりの知識の深さに最近心の中でヅカペディアと呼んでいる)が貼っていた海外のコンペでは普通に片手保持でゴールとなっていますし、最近の有名どころでもアディダスロックスターの最後なんかはスイッチを先に押した方が勝ちというルールですからね。






他のスポーツの草コンペとかってどの程度厳密なんでしょうかね。
例えばまぁ流石にオフサイドを取らないサッカーの大会などは無いと思いますが、別に小学校の休み時間のサッカーではオフサイドなんて気にしないで遊んでいたように思います。
かつてNBAでゾーンディフェンスが禁止されていた時代に、体育のバスケでゾーンディフェンスを敷いたって
「おい!NBAルールでゾーンディフェンスは禁止されてるぞ!」
とか言い出す人はおそらくいないですよね。
(いや言うのかも?オフサイドも遊びでもとるかも。すんません全然詳しくないスポーツの例を挙げてしまって。笑)

一方で最低限の不変のルールというのもありますよね。
例えば草野球とは言えホームラン打って5点入ったりしたら気持ち悪いです。

そう考えるとクライミングにおける最低限の不変のルールの線引きはどの辺になるのでしょうかね。
例えば4点スタートルールが存在するジムはほとんどないことから、現状このルールは別に適用しなくても良くない?という雰囲気なわけです。

で、カッコ悪いからという理由だろうと、危ないからという理由だろうと、「ホールドのボルト穴の使用禁止」というジムがあっても全く構わないわけです。
そういうジムで
「mickipediaにはボルト穴使って良いって書いてありましたよ!IFSCルールでもOKですよ!だから僕は使います!」
とか言わないでくださいね。笑

とまぁこんな感じで寛容に行きましょう。
でもそれとは別として草コンペであろうとコンペに関わる人は、IFSCルールは熟読しておくべきだとは思いますがね。


あ、最後に詳しい人に質問なのですが、IFSCルールの終了点に関する規則で

7.2.6 各ボルダーには次のいずれかの終了点が明示されねばならない。
a) 終了ホールド
b) ボルダーの上の定められた立ち位置


とあるのですが、bの方の「ボルダーの上の定められた立ち位置」という場合ってこれまでのワールドカップやジャパンカップでありましたかね?
知っていたら教えて欲しいです。

ではでは。
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ボルダリングのグレードの足し算

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ボルダリングの課題を作っていると、2つの課題の繋げモノ的な場合にグレーディングに迷うことがあります。
例を挙げると、2級の課題をやった後にまた短い2級的なムーブが入る様な課題をグレーディングする場合です。
課題を通してのマックスの強度が2級に収まっているから2級とするのか。
それとも前半の2級よりも明らかに悪いのだから1級や初段にすべきなのか。

以前ブログで触れた、
ボルダリングのグレードの決定方法~前編:グレードの定義、前提となる考え~
ボルダリングのグレードの決定方法~後編:難易度の構成要素~
などの自分の考えに従えば、元の2級よりも持久力という要素が加味されたために登れるクライマーの数は減るはずなのでグレードを上げるべきとなりますが、どの程度のグレードアップをすれば良いかまではわかりません。

そんなことを考える内に、こういったグレードの足し算に関する面白い記事を以前にネットで目にしたことを思い出したのでそちらを紹介しつつ、色々と考えてみたいと思います。



目次
■予備知識:段級グレードとVグレードの換算
■Australian Bouldering.comによるグレードの足し算
■日本の岩の課題で考えてみる
■補足
■終わりに



■予備知識:段級グレードとVグレードの換算
まず今回の主題に入る前に、日本でなじみのある段級グレードとアメリカを中心に使われているVグレードの一般的な換算表を載せておきますね。

CLIMBING-netより転載
ボルダーグレード比較表

また、これはあくまで換算表の1つの考え方であり、感じ方は人それぞれです。
例えば小山田さんの場合また少し違った換算をしています。
グレード換算表 v01

まぁすっごいラフに考えると
・V10が三段
・Vグレード2つ分で一段分
みたいに考えておけば外さないです。
(そういや以前こんな記事も書きました:ボルダリングのグレード換算の公式



■Australian Bouldering.comによるグレードの足し算
前置きが長くなりましたが、いよいよ本題。
冒頭に書いた面白い記事とはAustralian Bouldering.comに載っていた、「Elementary grading: 1 + 1 = 3」なのですが、そこではオーストラリアのVグレードに関して以下の足し算が当てはまると主張しています。

Vn + Vn-3 = Vn
Vn + Vn-2 = Vn+1
Vn + Vn-1 = Vn+1
Vn + Vn = Vn+2


(nは3以上の整数)

例を挙げてみるとイメージが掴めるかもしれません。

V7 + V7 =V9
馴染のある段級グレードに換算すると、
初段 + 初段 = 二段+。

V7 + V4 = V7
初段 + 2/3級 = 初段のまま。

つまりざっくり言うと、
同じグレードを2つ繋げると1段(or級)くらい上がる
1.5~2段(or級)以上離れているグレードの課題を繋げてもグレードは上がらない
とAustralian Bouldering.comは主張しているのです。

おそらくいくつかの既存課題からこの公式を揚げているのだと思いますが、これはその正確性や汎用性があるのかは検証する余地があるものの、斬新な考え方で非常に面白いと思います。



■日本の岩の課題で考えてみる
ではさっそくこの式が日本の岩の課題に当てはまるのかを考えてみます。

・「那由多」(六段- V16) ※わかりやすく小山田さんの換算グレードで考えます
まずはこの四月に小山田大さんが初登した「那由多」(六段- V16)。
「那由多」は下呂にある課題ですが、「涅槃那」(五段 V14/15)と「プレセム」(五段- V14)リンクした課題です。
(実際に那由多の詳細を知らないので、厳密にこの2つの課題を繋げているわけでなかったらすみません)

上にあげた式から
V14/15 + V14 =V16
となるので、まさにぴたりと当てはまっています!

SNSなどでは
"五段と五段を繋げて六段にしかならないのか"
的な声もちらほら見られましたが、Australian Bouldering.comの主張は小山田さんの体感とそうズレてはいないようです。


・「蟹虫」(四段 V12)
次は日本で一番有名な繋げモノかもしれない御岳の「蟹虫」(四段 V12)。
「蟹虫」は「蟹」(三段 V10)と「虫」(三段 V10)を繋げた課題です。
厳密には、「蟹」パートに関しては核心とも言える飛ばしの一手が無く、虫も初手が省略されるので完全に繋げているとは言えませんが。
こちらもなんと
V10 + V10 =V12
とまさに公式通りなのです!


・「忘却の河」(二段 V8/9)
最後に少し悩ましい例として小川山の「忘却の河」(二段 V8/9)を挙げます。
こちらは「グレード不明の前半部分」(V?)に「マントル」(2級 V4/5)を足したものです。
前半部分はグレーディングされていませんが、逆に考えればあの式を使えば前半部分のグレードが推定できるのではと考えるわけです。

V? + V4/5 =V8/9

これを解くと、なんとV?=V8/9となります!笑
つまり「忘却の河」は前半部分からおにぎりっぽいガバあたりまでいった時点で既に二段程度あるということになってしまいます。



■補足
ここまで読んでお気づきの方もいるとは思いますが、式が現実と整合しない点をいくつか指摘します。

1つ目は最後に挙げた「忘却の河」のように、
既存課題に一部のムーブを足すことで前の課題から2グレード以上上がっている場合、足されたムーブの部分だけで全体課題と同じグレードである、となってしまう点です。
他の例を挙げれば例えば神戸の「フルチャージ」(四段 V12)。
「フルチャージ」の後半部分は「電池切れ」(二段 V8/9)ですが、この式で考えると前半部分だけでV12が付くことになってしまいます。
これは明らかに現実とそぐわないですね。


2つ目は決定的におかしい点なのですが、実はこの式は結合法則が成り立たないため、計算をどこから始めるかで結果が変わってしまいます。笑

例えばV4の課題にV1を4個繋げる課題があったとしましょう。
まず前から順に足したとします。
=V4 + V1 + V1 + V1 + V1
どれだけV4にV1を足してもグレードはV4のままなので
=V4
となります。

しかし先に後半のV1のところを足してみると
=V4 + (V1 + V1) + (V1 + V1)
=V4 + V3 + V3
=V4 + V5
=V6

となるのです!
つまりこの式、実は全然厳密じゃないです!笑



■最後に
今回の記事は散々検証しておいて最後に落とすスタイルですみません。
まぁあくまでちょっとしたお遊びの式ですね。
そもそもどのようなタイプの課題を繋げるかで全くグレーディングは変わるはずなので一概に数字だけで足し算できるはずはないですし。
しかしそれでもAustralian Bouldering.comのようにグレードの足し算に関する主張はそれほど目にしたことがなかったので個人的にはとても面白いなと感じました。
厳密性はないものの、ある程度のグレーディングの指針にはなり得るかもしれません。

みなさんも時間があれば既存課題を例にいくつかこの式を当てはめてみると面白いかも。

ではでは。
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